Googleアシスタントの責任者が語る、会話型UIの未来とGoogleの次なるプラットフォーム戦略

TechCrunchの読者にはお馴染みだろうが、最近Amazon Echo、LINEのClova WAVE、Google Homeといったコネクテッド・スピーカーが注目を集めている。コネクテッド・スピーカーは自宅のIoT製品、利用しているアプリやサービスなどと連携することで、ユーザーの依頼に応えるデバイスだ。スマホで、いちいちアプリを起動してタップしなければならなかったところを、例えば「音楽をかけて」「電気をつけて」「ニュースを読んで」とデバイスに声をかけるだけで、できるようになるのが特徴だ。

Brad Abrams氏は、Google Homeでも使われている会話型インターフェース「Googleアシスタント」のプロダクトマネージャーを務める人物だ。Abrams氏は11月16日、17日に開催したTechCrunch Tokyo 2017に登壇し、Googleが見据える会話型インターフェイスの未来について語った。

GUIから会話型インターフェイスへ

この10年を振り返ると、ほぼ全ての業界がモバイルの影響を受けたが、「今は、AIファースト、会話型インターフェイス時代の始まりにいます」とAbrams氏は言う。この10年で、私たちはスマホを使って料理の宅配を頼んだり、タクシーを呼んだり、家族や友人と連絡を取ったりするようになった。次の10年では、人間にとってもっとも自然なコミュニケーション方法を使う「会話型インターフェイス」が台頭するという。

その背景には、技術の発展とプラットフォームの普及があるとAbrams氏は説明する。ここ数年で、機械学習と自然言語処理が大きく進化した。コンピューターは聞き取った言葉を正確にテキストに変換し、その言葉の意味を理解できるようになってきている。テキストを音声に戻して、ユーザーに伝える部分の技術も進歩した。

こうした技術を利用できるプラットフォームもすでに人々の生活に浸透している。自宅にいる時はパソコンやコネクテッド・スピーカーから、移動中はスマホから、いつでもどこでも利用できる状態だ。この先、ユーザーは、より質の高いカスタマーサポート、より自然な会話型インターフェイスを求めるようになるだろうとAbrams氏は話す。

会話型インターフェイスのGoogle アシスタントは、すでにAndroid、iOSのモバイル端末、テレビ、ウォッチ、パソコンなど、1億以上のデバイスで利用できる。日本でもAndroid端末で利用できる他、2017年10月に発売したGoogle Homeから使うことが可能だ。

人は人と接するのと同じように機械に話しかけるものなのかと、疑問に思うかもしれないが、Google アシスタントのログを分析すると、ユーザーのリクエストの約70%は自然な会話文なのだという。これはGoogleがこれまで提供してきた「Google検索」との使い方とは全く異なり、「ユーザーがGoogleに向かって自然に話し、自然な言葉での回答を期待するようになっていることを示しています」とAbrams氏は説明する。

Google Homeに来るリクエストの半数近くは音楽に関連するもの(音楽の再生、停止など)で、ニュースの視聴にも頻繁に利用されているそうだ。スマホからだと、待ち合わせている人に遅刻を伝えるメッセージ送信のリクエストが多いが、最近では、食料品の注文や商品の購入にも使われ始めていると言う。

アシスタントアプリのプラットフォーム

Googleは会話型コンピューティングの時代を見据え、Google検索、YouTubeに次ぐ新たなプラットフォームの確立を目指しているとAbrams氏は説明する。「Google検索はパブリッシャーと読者をつなぐプラットフォーム、YouTubeはクリエイターと視聴者をつなぐプラットフォームです。新たに立ち上げた『Actions on Google』はサービス事業者とカスタマーをつなぐプラットフォームです」。

会話型インターフェイスが普及すれば、消費者と企業との関わり方においても会話が重要になる。そこで、Googleは「Actions on Google」を通じ、企業や開発者が会話型インターフェイスのアプリの開発と登録ができるプラットフォームを提供するということだ。

Actions on Googleでは、アプリ開発を支援するDialogflowやActions SDKといったツールを提供していて、これまでGoogleが培ってきた音声認識、自然言語処理といったテクノロジーを活用できるとAbrams氏は説明する。さらに開発のハードルを一段と下げるためのアプリテンプレートなどもあるそうだ。Googleでは今後も開発者コミュニティーの育成に力を入れていくとAbrams氏は話す。

「10年前、モバイルに早くから対応していれば、今頃もっと発展できていたと思うかもしれません。会話型UIでも同じことが起きようとしています」とAbrams氏は最後に伝えた。

Content retrieved from: http://jp.techcrunch.com/2017/12/19/google-assistant-tc-tokyo-2017/.